今日は普通の日勤。先日ようやくずっと取り組んでいた仕事案件が一区切りつきました。久しぶりに残業無しで帰れる日々となっております。
今回は最近読んだ本を紹介します。こうした本に出逢えた事が本当に幸せです。
・国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)(
紙の本、
電子書籍) - ダロン・アセモグル (著)、ジェイムズ・A.ロビンソン (著)、鬼澤忍 (訳)
・国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)(
紙の本、
電子書籍) - ダロン・アセモグル (著)、ジェイムズ・A.ロビンソン (著)、鬼澤忍 (訳)
2013年8月に発売された本です。読んでみたいと思った切っ掛けは、昨今の
社会情勢になんとなくシンクロしたからだと思います。21世紀になり
世の中の情報がこれまで以上に見えるようになりましたが、それによって未だに
先進国と発展途上国が存在している事が露わになりました。またロシアとウクライナやイスラエル・ミャンマーなど
軍事的衝突が継続している国も存在します。どうしてこれだけ世の中が見えるようになってもなお、こうした
格差があるのか疑問ではありました。過去に読んだ
サピエンス全史(?)でも
「国があるという事は戦争があるという事である」と言っており、こうした争いは避けられないのでしょうか。そんな疑問のヒントが得られるか期待して、読み始めました。この本は
上下巻に分かれており、合計
700ページ以上のボリュームです。ですが、その
主張は一貫しておりました。
国家が衰退する理由、それは
収奪的な政治と
経済的インセンティブが得られない環境です。これ以外のあらゆる要素は国家の衰退に関係ありません。この仮説の裏付けを、
歴史的地理的観点から様々な事例を出して紹介しておりました。例えば、
韓国と北朝鮮は殆ど同じ気候であるにも関わらずGDPなど全く違います。また
アフリカ諸国の多くは中世に欧州各国からの植民地支配を受け、その体制が色濃く残っております。日本も例外ではなく、江戸時代は
士農工商という身分制度の元
差別的な政治が引かれておりました。その全ては収奪的な政治と経済的インセンティブが得られない環境が理由です。そして、これを解決するにはその逆である
包括的な政治と
経済的インセンティブが得られる環境が必要です。日本は
明治維新を経て身分制度を脱しました。これが無ければ今日の発展はなかったかも知れません。他にも、
産業革命のタイミングで包括的な政治をしいていたかも大事な要素でした。本書では、そのような多種多様な事例を紹介し
国家衰退の理由を説明しておりました。非常に膨大な資料で、これだけの内容をまとめるためにどれだけの年月と人的リソースを割いたのでしょうね。素晴らしかったです。社会情勢がグラついている現代こそ、読むべき本だと思います。オススメです。
私は学生時代は地理が好きで歴史はほとんど興味なかったんですけど、社会人になってから改めて歴史の大事さを痛感してます。素直に楽しいと思えてますね。
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- 2023/11/14(火) 22:37:13|
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