今日は普通の日勤。最近自分の周りでコロナ感染者が増えております。これだけマスクを付けていない人が増えれば、まあ当たり前かも知れないですね。
今回は最近読んだ本を紹介します。久しぶりに、エネルギーがあると言いますか執念のこもった本を読んだ気がします。
・統合失調症の一族 遺伝か、環境か(
紙の本、
電子書籍) - ロバート・コルカー(著)、柴田 裕之(訳)
2022年9月に発売された本です。読んだきっかけは、単純に
統合失調症に興味があった事と表示を見て目を疑った事です。表紙には
1組の夫婦と12人の子供が一列に並んでいる写真が写っており、この一家の大半が統合失調症に悩み苦しんだとの事です。このあらすじだけで、自分が惹かれるに十分なエネルギーを持っておりました。
遺伝か環境か、その答えを求めて読み始めました。この本は全部で
500ページ以上あり、この一家一人ひとりの行動や歴史について非常に丁寧に聞き取りを行い取材された結果を記しております。
夫婦が結婚した第二次世界大戦から現代に至るまで、全員の視点で一家の歴史が書かれているのです。この事実だけでとんでもない事だと思います。そして、統合失調症により様々な症状や特異な行動が出始めても
愛情を持って接する家族の様子が描かれておりました。
どんなに厳しい現実でもそれを受け止めて何か解決策があるはずともがく姿に、必ずこの病気は治されなければいけないと思いました。途中には統合失調症の原因究明に奮闘する
医師や研究者の姿も書かれていました。彼らにとっても、この一家の存在は言い方はあれですが貴重なサンプルだったみたいです。統合失調症が遺伝なのか環境なのか、
様々な仮説を立てて解明に勤しむ姿も印象的でした。最終的に、統合失調症の原因が遺伝か環境かの答えは出ませんでした。それらしい仮説がありその対処を行う事で一定の成果は出ておりますが、まだまだ研究を進める必要はあります。ただ少なくとも、
技術の進化や知見の積み上げと共に確実に重症化している患者の方は少なくなっております。いつの日か、統合失調症は簡単に治る病気になって欲しいと思います。とにかく
圧倒的な情報量で、
著者の執念とも呼べる文章量に只々感服しました。この本から学べるものは非常に多いと思います。是非多くの方に読んで頂きたいです。
丁寧な取材と圧倒的な事実の積み上げほど、説得力を持つものはありませんね。行きつく先に求める答えがあるなしに関わらず、その軌跡にこそ意味はあると思わせてくれます。
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- 2023/08/30(水) 22:03:25|
- 本
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