今日は夜勤明け。そして先ほど今年の
99本目にあたるレビューを公開しました(
レビューはこちらからどうぞ)。いよいよ次が記念すべき
100本目になります。100本目ですので、それにふさわしい大作を選んでおります。C93まで間に合えばいいな。
今回はお知り合いの方からオススメされた本を紹介します。書店の新刊コーナーとかで長く鎮座しておりましたので知っている方は結構多いかもしれません。
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言ってはいけない 残酷すぎる真実 - 橘玲
2016年に新潮社で出された新書です。
2017年の新書大賞を受賞しており、これまで
40万部以上もの売上となっております。内容ですが、概要にあります通り
現代社会のタブーと言いますか自分たちが信じてきたものをバッサリと切り捨てるような事実を鮮やかに書き記したものです。商品説明に
「努力は遺伝に勝てず、美人とブスには残酷な美貌格差があり、子育ての苦労はほぼムダになる。」と書かれております。まさにこういった内容を
統計学・脳科学・心理学という武器を元に書き記しているのです。そういう意味で、この本を読む心構えとしてはまず
自分の中の常識を整理する事が大切かもしれません。常識を捨てるのではなく整理するのです。何故なら、この本ではそうした現代社会のタブーに触れつつもそれを壊しにかかるからです。常識を捨てて書かれているままに受け入れる読み方の方がある意味傷は浅いかも知れません。ですがそうではなく自分の中の常識を整理しそれと照らし合わせて読むことで、より受ける印象は大きくなると思います。
そしてこれを読み終わった率直な感想ですが、
無粋という言葉がこれ程当てはまるものもないと思いました。書かれている内容は確かに事実です。そして書かれている内容は元々自分の中でも「ああ、きっとそうなんだろうな」と思っていたものでした。ある意味
自分の常識をちゃんと証明してくれて嬉しかったです。だからこそ無粋だと思いました。著者は最後に「ちなみに私は、不愉快なものにこそ語るべき価値があると考えている。きれいごとをいうひとは、いくらでもいるのだから。」と言っております。私は逆に、
きれいごとを言うくらい粋があった人間の方が面白いと思っております。世の中にはフィクションがありふれております。ドラマ・アニメ・小説・ビジュアルノベル、それらの殆どがこの本に書かれている事と真逆の事をテーマとしております。ではなぜ人はそうしたフィクションを求めるのでしょうか。それはきっと人は
無意識に人間の生物学的な部分に抗いたいと思っているからだと思っております。誰もがイケメン・美女とセックスしたいですし、男女平等などという言葉に空虚を感じております。黒人のアスリートが強いのは努力ではない事も薄々感じているのではないでしょうか。それでも、たとえそれでもそうした生物学的なものに抗いたい。本能ではなく理性的に生きたい。努力で才能を打ち負かしたい。それもまた
人間らしさだと思います。この本に書かれている内容は素直に事実として受け入れるべきだと思います。何故ならちゃんと根拠のある事実だからです。そして、この事実を受け入れて、
ワザと反抗するような粋のある人生を送りたい。私はそう思いました。
活用できるところは活用して、反発したいところは反発しよう、という事です。
何しろタイトルが意地悪ですからね。
「言ってはいけない」なら言わなければ良いのにって思います。言ってはいけないではなく目を背けてはいけないとかにした方が正確ですね。
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- 2017/12/08(金) 21:10:46|
- 本
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