徒然なるM.M

私ことM.Mの徒然ない日常を綴った日記

海の見える理髪店

 今日は普通の日勤。3月ももう終わろうとしているのに何でこんなに寒いんですかね。昨日とか今日みたいな日の夜勤が一番きついんですよね。気温そのものよりも風と雨、これが体温を奪っていく。

 自分は基本的に何もないときはビジュアルノベル読んでいるんですけど、普通の小説で有名どころや話題作は押さえておきたいっていう気持ちは常に持っております。そんな自分ですのでやや遅くなりましたけどこちらの本を読んでみました。

海の見える理髪店 - 荻原浩
2016年3月30日に第1刷が発行された荻原浩の小説です。第155回直木賞の受賞作品であり、爽やかな雰囲気のタイトルと表紙とは裏腹に家族の後悔を描いた物語という事でどんな世界が広がっているのか楽しみに読み始めました。私は殆ど本を読んできませんでしたが、荻原浩の名前は知っておりました。私が宇都宮に住んでいた時によく東北新幹線に乗って東京に出ていたのですが、その時に読んでいたJR東日本の車内誌であるトランヴェール冒頭のエッセイを書いておりました。スっと心に入ってくるテキスト、自然と情景が浮かぶ擬音と比喩の使い方に毎月楽しみにしていたのを思い出します。今回直木賞を受賞した海の見える理髪店は、全部で6つの短編が収録されております。それぞれが40ページ程度で、20分もあれば各話読む事が出来ます。どの作品も扱っている題材は家族、そして表現しているテーマは後悔でした。6つの短編を通して、様々な家族の形を表現しておりました。ある時は父と息子、ある時は母と娘、またある時は夫と妻、そのどれもがありふれたものであり真新しいものはありませんでした。そして描かれるテーマは後悔、これもまた誰もが経験しているものでした。あの時あんな事言わなかったら、あの時もう少し勇気を出していたら、あの時意地を張らなかったら、そんな自分自身に対する後悔と、それを噛み締めて乗り越えていく登場人物たちの姿が描かれておりました。テキストは風景の描写を丁寧に描くことで場面場面の姿が見えるように想像できるものです。その中で自然体の会話が色を付けてくれます。だからこそ、フィクションであるにも関わらず何故か自分の事のように思えてしまうんですね。もちろん私は結婚しておりませんしこの作品の人物のような重い経験もありません。それでも身近に感じてしまうのが不思議ですね。個人的には「成人式」という作品が一番心に残りました。交通事故で娘を失った夫婦の決断と行動、その姿に電車の中にも関わらず目が潤んでしまいましたね。どの作品も劇的な展開や山あり谷ありのシナリオではありません。空気のように流れていくテキスト。それなのに心にいつまでも残り続ける。ああ、これが荻原浩氏の文章なんだなと思いました。誰にも読んで欲しいです。必ず心に留めておきたい物語に出会えると思います。

 直木賞は大衆小説作品に与えられる文学賞との事です。その名の通り、普通に生きる人にこそ共感され心に残る作品だと思います。後悔という目を背けたくなるものにも関わらず読み進んでします、これが直木賞の決め手なのかなと思いました。
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  1. 2017/03/27(月) 23:11:11|
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HPでビジュアルノベルのレビュー等を公開しております。
第2回のべるちゃんコンテスト審査担当。
第10回同人ゲーム制作勉強会講師担当。
ノベルゲーム部ソムリエ担当。
【ビジュアルノベル】同人多め
【DDR】元DP足紙さま?
【吹奏楽】楽器はTuba

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