今日は普通の日勤。徐々に年末の足音が聞こえてきている気がします。仕事もそうですけど、
C97がありますのでこちらの準備も始めなければですね。
今回は最近読んだ本を紹介します。世の中的にも注目を浴びた作品だったのではないでしょうか。一度この人の本を読んでみたいとは思ってました。
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人間 - 又吉直樹
2019年10月に発売された本です。
又吉直樹氏の名前は多くの方が知っていると思いますが、どのような形で知っているかは結構別れるのではないでしょうか。
お笑い芸人として知る事となった又吉氏ですが、2015年に書いた
火花という本で
芥川賞を受賞した事で
小説家としても知られる事となりました。私は火花の方は読んでおりませんが、
芸人でありながら芥川賞を取れるだけの物を書ける又吉氏の書物は興味を持っておりました。そして今回、人間の発売を切っ掛けとして読んでみようと思い今回の日記に至っております。読んだ感想ですが、ああこれはきっと
又吉氏本人の葛藤と人生を書いた本なんだなと思いました。正直言って、シナリオは良く分かりませんでした。場面転換は唐突ですし、登場人物も今一何を考えているのか分かりませんでした。ですけど、そんな
不揃いな感じこそが人間なんだろうなと思いました。何よりも、又吉氏は
芸人であり小説家という非常に珍しい立ち位置にあります。そんな自分自身の素直な気持ちを小説にしたのが、この人間という作品なんだなと思いました。この作品は、名作とか凡作とか語る事にあまり意味は無いと思いました。ああ、この作品が又吉氏なんだなと分かればそれで良いと思いました。美しさなどない
赤裸々なテキストが、とても印象的でした。
表現物とは、本来こういうものなのかなと思いました。自分が書きたいものを素直に書く、まるで
同人誌みたいですね。それでも売れるのであれば、それは商業誌なのでしょうね。
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- 2019/12/12(木) 21:29:27|
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今日は夜勤明け。もう夜は絶対に
上下アノラックが欠かせませんね。いい加減関東でも雪が降って来るんじゃないかって思っております。
今回は最近読んだ本を紹介します。昔紹介された事を思い出して掘り起こして読んでみた本なんですけど、こんな面白い本もあるんだなと感心しました。
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動的平衡 新版 1 生命はなぜそこに宿るのか - 福岡伸一
2017年6月に発売された本です。この本を読んだ切っ掛けは、私が
新入社員の時に聴いた特別講義の中で紹介された事です。
つい最近引っ越しを行ったのですが、その中で当時の資料が出て来ましてそこに書いているのを見つけました。
動的平衡と聞いて、何のことかお判りでしょうか。私は本書を読むまでさっぱり分かりませんでした。この本は、
生物学の本です。そして動的平衡とは、破壊と生成、秩序と混沌、そういった
相反する事が絶えず行き来しながら均衡を保っている事を意味します。私たちが生きている事、その事が動的平衡であると日々意識する事はなかなか難しいと思います。例えば、私たちの体は不変のものではなく
絶えず摂取する食べ物や飲み物によって構成されております。そして、様々な細胞が絶えず行き来する事で生命活動を維持しております。生命活動は
とある一ヶ所を変えるだけでは何も意味がない、それを様々な事例を通して紹介しておりました。例えば、コラーゲンを摂取したからといって肌の貼りが戻る訳ではありません。
コラーゲンがコラーゲンとして体に取り込まれる訳ではないからです。若い時と比べて年を取った時の方が時間の進みを速く感じるのは、
細胞分裂のスピードが違うからかも知れません。生命活動のあらゆる疑問は、
もしかしたら動的平衡で説明が付くのかも知れない。そんな事実とロマンを合わせ持った事柄が書かれておりました。引き込まれる文章で、300ページあるにも関わらずあっという間に読んでしまいました。素直に面白かったです。是非全ての人に読んでみて欲しいです。
とにかく一つ一つ納得させる文章が凄かったです。吸い込まれるというのはこういう事なのかも知れません。続きがあるみたいですので是非読んでみます。
- 2019/12/05(木) 13:17:26|
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今日は夜勤明け。そして知り合いの演奏を聴くために突貫で
浜松に行ってきました。浜松くらいですと東京から
1時間30分ですので全然近いですね。
今回は最近読んだ本を紹介します。こういった本は何冊か読んできてどれも今一でしたが、今回は読んで良かったと思いました。
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いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 - 荻上チキ
2018年7月に発売された本です。最近、世の中的にいじめのニュースが多くなっている気がします。特に
先生同士のいじめのニュースはかなり衝撃的だったのではないでしょうか。その一方で、ああいったいじめは多かれ少なかれ
世の中のどこでも起こっているんじゃないかとも思います。ちょっとした小競り合いや言葉の使い方、それがいじめになるのかならないのかは
された側でないと分からないのですから。この本は、様々なデータを活用して
"本当に"いじめを解決する方法を探し検討するという内容になっております。ここで"本当に"と言っているのは、今世の中で評論されているいじめの話はその殆どが
イメージや固定概念に基づいているからです。例えば、メディアがいじめをニュースで取り上げるのは自殺などの事件が起きた時だけです。他にも、ネットやSNSによるいじめもセンセーショナルだから報道されます。何が言いたいのかと言いますと、いじめの解決には
地道な情報収集とデータ収集に基づきエビデンスをハッキリさせる事が必要という事です。一過性のブームで解決できる程簡単ではありません。実際この本の中では、校則が原因によるいじめ、教師の労働環境に起因するいじめ、発達障害や性差によって発生するいじめ、SNSなどメディアが飛びつきやすいいじめ、といった
中々メスが入らないいじめについて丁寧に解説しております。過去にいじめられた経験のある方であれば、うんうんと頷ける内容なのではないでしょうか。本当にいじめを解決する為に求められる事、そしてその為に大人が出来る事を一緒に考えていける内容となっております。これまでのいじめに関する本とは一線を画しておりますので、是非手に取って読んでみて下さい。
いじめられた人は自分からいじめられたと敢えて積極的に口にする事はありません。そういった中々外に情報が発信されない事もまた偏った情報公開に繋がるのかも知れません。
- 2019/11/30(土) 21:45:19|
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今日は普通の休み。
一人暮らしを初めて約2週間経ちましたけど、少しずつ慣れてきた感じがします。まずは
料理が出来るようになる事ですので、とりあえず思い付きで色々作ってます。1人分作るのが難しくどうしても同じ料理で何日も過ごす感じになってしまいますね。そういうものなのかも知れません。
今日は最近読んだ本を紹介します。新刊コーナーで見た瞬間、絶対に買おうと思ってました。
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自分のせいだと思わない。 小池一夫の人間関係に執着しない233の言葉 - 小池一夫
2019年9月に発売された本です。著者である
小池一夫氏は漫画家であり、
2019年4月に永眠されております。長い間漫画家として活躍されたと同時に、晩年
73歳になってからTwitterを始めた事で普段それ程漫画を読まない私でも知る所となりました(
小池一夫氏のアカウントはこちらからどうぞ)。そして、そのツイート内容は
これまで小池一夫氏が歩んできた人生を表したものばかりでした。言ってしまえば、
小池一夫氏の人生観が詰まったものとなっておりました。人との出会いや別れ、結婚、自信を持つ事、悪意や怒りとの付き合い方、そんな誰もが悩み躓く事について、小池一夫氏の言葉が勇気を与えてくれます。私が凄いと思ったのは、
73歳という高齢になってからTwitterを始め最後の瞬間まで発信していた事です。新しい物、時代の流れに沿った物を受け入れる努力をして、それを自分なりに活用する、ここまで
自分の幸せと生きがいを追求する姿勢は誰もが参考にするべきだと思いました。そして、お亡くなりになる最後の瞬間まで自分を愛して家族を愛して、世界を愛する姿は誰もが憧れる物だったのではないかと思います。1ページに1ツイート分の文章しかありませんので、全部読み切るのは簡単です。ですが、この本は読んで終わりではなく是非
人生の様々な場面で悩んだ時にふとページを開いてみて読んでみて少しかじ取りをお願いするくらいが調度良いのだと思います。人生の先輩が残した言葉がずっと読めるのです。是非いつでも簡単に手に取れるところに置いておいてみては如何でしょうか。
こういう本って、どっぷり浸かるのは自分を失いがちになりますので注意が必要かも知れませんね。鵜呑みにするのではなく役立つところだけ切り取る、その位が良いと思います。
- 2019/11/17(日) 10:07:09|
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今日は夜勤明け。引っ越しも大詰めで、今日は
ニトリに頼んだ家具が届きました。
大型の本棚が届いたので早速手持ちの本を並べてみました。いや~楽しいですね。
この瞬間を待っていたんです。 今回も最近読んだ本を紹介します。正直、
こんな本が世の中に出て良いのか?って思いました。あまりにも衝撃的な暴露本でした。
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トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉 - 西岡研介
2019年10月に発売された本です。久しぶりに、
凄まじい一冊を読んだという感じでした。タイトルになっている
トラジャとは、インドネシア・スラウェシ島の中央や西南の山岳地帯に暮らすマレー系の先住・少数民族の名称です。ですがこれにはもう一つの意味がありまして、それは
旧国鉄の労働組合「動労」「国労」出身の有能な革マル派同盟員で、分割・民営化前後に『職業革命家』として革マル派党中央に送り込まれたメンバーに名付けられた名称という意味があります。この本は、2018年にJR東日本の第一労働組合である
JR東労組から
35,000人が脱退した出来事が何故起きたのかを、
30年の歴史を振り返って描くノンフィクションです。著者は
週刊文春でもジャーナリストとして仕事をしており、どんなリアルな内容が書いてあるのか気になって読んでみました。この本、なんとページ数は
600ページにもなります。非常に分厚く、辞書の様です。そして、そんなに分厚いのに読む手が止まらず先日帰省した行き帰りの電車の中で一気に読んでしまいました。内容ですが、
JR東日本とJR北海道の会社体質と第一労働組合との関係を細かく書いておりました。これがノンフィクションなのですから、どんなドラマよりも恐ろしいですね。組合を守る為に
安全を疎かにする、組合を守る為に
人の命を疎かにする、そんな事実が赤裸々に書いておりました。そして、そんな恐ろしい事実がありながらも誰も脱退しなかったJR東労組の組合員たち、ですがそれも
会社のメスが少し刺さっただけで簡単に弾けてしまいました。JR東労組に信頼があれば、誰も脱退などしなかったのでしょうね。それでも脱退したのは、やはりこんなやり方はおかしいと思っていたからだと思います。首都東京の鉄道網を支えているJR東日本、その内部で
こんなごたごたがあっては誰も乗る人はいなくなるという物です。今回の35,000人の脱退は間違いなく正しかった、そしてこんな腐敗した労使関係は許されるべきではない、そう思わせる一冊でした。
昭和から平成、そして令和になる中でこうした対立は恐らくかなり多く存在したのだと思います。それが時代の流れと共に変わっていく、それでも変われなかったからこんな事件が生まれたのですね。
- 2019/10/24(木) 22:20:36|
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今日は休み。
引っ越し作業がかなり本格的になって来まして、先日
IKEAで頼んだ家具が届いて昨日は
粗大ごみを市の回収センターに捨てて来ました。今日も引っ越し準備を進めて、明後日に
ニトリの家具が届きます。
今回も最近読んだ本を紹介します。とても興味深いタイトルでして、内容もタイトル通りの素直なものでした。是非
これから大学を目指す学生さんに読んで欲しいと思った一冊です。
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キリン解剖記 - 郡司 芽久
2019年8月に発売された本です。この本を買った切っ掛けは、会社の後輩から勧められた事です。キリン解剖記、正直この言葉だけで
ワクワクしてしまいました。キリンと言えば、あの
長い首が頭に浮かぶと思います。そして、この本の著者である郡司芽久氏もまたその長い首に魅入られてキリンを研究する道に進んでおります。この本は、
著者が大学生になってから10年の軌跡を書いております。
何となくキリンの研究をしたい、そんな想いから様々な人と出会い沢山のキリンと出会っていきました。初めてのキリンの解剖で思うように成果が出なかった悔しさや、一つのことを解明したいという想い、そんな研究者としてのキャリアを積んでいく様子が印象的でした。最後まで読んで、私は
著者が羨ましいと思いました。何故なら、子供の事から好きだったキリンに
大人になった今でも関わっているからです。自分が夢見たものは、実はそうでもなかった。憧れていたものは、実は大変だった。そんな経験は誰にもあると思います。ですけど、それでも
好きなものは好きという気持ちを失う事なく、走り続ける事が出来る人が著者のようになれるのだと思います。好きなものが好きでなくなるのはとても悲しい事です。だからこそ、人は
自分なりの好きを見つけるべく人生を歩んでいるのだと思います。大切なのは、
好きという気持ちを失わない事かなと思いますね。それさえ持ち続ければ、きっと素敵な出会いが待っているはずです。自分も、自分の好きなものを忘れないようにしたい思いました。
そして、研究にはお金がかかりますのでそうした支援がある事も大切ですね。誰かがキリンの研究の意義を認めてくれた、それだけでもとてもありがたいですし嬉しい事です。
- 2019/10/22(火) 08:16:41|
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今日は夜勤明け。今シーズンになって初めて
上着を着ました。10月半ばに入ってやっと
秋らしい気温になったという感じです。ですけど、何となくこのまま一気に冬になってしまうんじゃないかって気がします。
今回も最近読んだ本を紹介します。ここ最近では難しめな内容でしたが、是非誰もが世の中に発信できるようになった今だからこそ読んで欲しい一冊だと思いました。
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「差別はいけない」とみんないうけれど。 - 綿野 恵太
2019年7月に発売された本です。この本を買った切っ掛けは、タイトルを見て思うところがあったからです。
差別はいけない、この言葉に多くの人は共感すると思います。ですが、どうして共感するのでしょうか。思うに、
自分も同じことをされたら嫌だからだと思うんです。自分も差別されたくないから差別してはいけない、言い換えればSNSなどの発達により
誰もが人を簡単に差別出来てしまう時代になってしまったという事でもあると思います。その為差別的な言葉を使うのはやめよう、中立的な言葉を使うようにしよう、このような考えを
ポリティカル・コレクトネスと言います。この本では、冒頭ポリティカル・コレクトネスの紹介を行い、そこから
そもそも差別とは何なのかという事を様々な視点から論じております。例えば、
看護婦という職業がありました。ですが、看護婦には
女性を意味するニュアンスがあり同じ様な言葉である
看護師には
男性を意味するニュアンスがありません。これに声を上げ、看護婦という言葉を無くしてしまいました。まさにポリティカル・コレクトネスです。この感覚に、
違和感を覚える人もいると思います。別に差別的なニュアンスで使っていないのに、
誰かが差別的と声を出したから消えてしまったのです。果たして、看護婦という言葉は差別なのでしょうか?他にも、
医学部の入学試験において女性の点数を一律減点にした出来事が社会問題になりました。一見差別に見えますが、実体として将来的に医師として仕事を続ける割合は男性の方が多いというデータがあります。それならば、男性を優遇することは間違っているのでしょうか?このように、
世の中の合理性を突き詰めていくと必然的に差別は生まれてしまうという事実もこの本では示しております。大切なのは、一人ひとりが
どのような視点で差別を考えているのかという事だと思いました。この本では、大きく
アイデンティティと
シティズンシップと分けております。民主主義と自由主義、このどちらも存在しどちらの主張も間違っていないから、差別がややこしくなるのだと思います。リベラル化していく社会の中で、もはや
差別という言葉が個性とか文化みたいに置き換わっていってしまうのかなと思いました。
差別だと言う事は、実際のところ簡単だと思います。ですけど、それが問題の先送りになっているパターンの何と多い事か。臭いものに蓋をして解決する事も、そろそろ限界かも知れませんね。
- 2019/10/18(金) 22:52:53|
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今日は夜勤明け。大きな爪痕を残した
台風19号の後始末をしておりました。幸いにも今住んでいるところは何ともありませんでしたが、仕事は予想通り問題山済みになってました。それでも、大凡は片付けて来ました。
今回も最近読んだ本を紹介します。久しぶりに
軽い雰囲気の本を取ってみましたが、中身はとても充実していて為になりました。
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knowの「k」はなぜ発音しないのか? 語源でわかる中学英語 - 原島広至
2018年7月に発売された本です。皆さんは、本書のタイトルになっている疑問に答える事が出来るでしょうか。少なくとも、私は出来ませんでした。中学から学び続けてきた英語ですが、
とりあえずこういうものだという感じで覚えるだけでした。
言葉は文化であり歴史ですので、勿論英語にも歴史があり文化があります。そして
そうした観点で見れば確実にknowのkを読まない理由が分かるのです。本書では、AからZまでのアルファベット順に誰もが疑問に思う英単語の発音やスペルについて
歴史的観点から解説しております。
古英語から始まり、
イギリス英語とアメリカ英語の違いや
フランス語・ドイツ語との関係性から現在使われておる英語のルーツを辿るのです。この本によって、例えば「複数形は最後に-sを付けるのに何故manの複数形はmenなのか?」「過去形は最後に-edを付けるのに何故goの過去形はwentなのか?」「lightやnightのghは何故読まないのか?」「hatのaはアと読むのにhateのaはエと読むのは何故か?」といった素朴な疑問が解決する事と思います。
英語を教養として学ぶ、是非その出発に相応しい一冊だと思いました。是非受験や授業で英語に苦労した人に読んで欲しいです。嫌いな英語が、少しだけ好きになれるかも知れません。面白かったです。
中学生とか高校生とか、是非時間取って読んでみて欲しいと思いますね。受験の為だけの英語に少しでも興味を持ってもらう切っ掛けになる気がします。勉強は、今だからこそ思いますけど
興味が無いと実になりませんからね。
- 2019/10/14(月) 18:37:14|
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今日は楽団の練習日。
来週一つ本番がありまして、その関係で明日も練習があります。この日記を書いたら体力温存でさっさと寝てしまうと思いますね。
今回も最近読んだ本を紹介します。新刊コーナーにも長く鎮座してましたので、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
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ケーキの切れない非行少年たち - 宮口 幸治
2019年7月に発売された新書です。この本を読んだ切っ掛けは、確かTwitterで本書内の挿絵と思われる画像を見た事だったと思います。その挿絵こそまさにケーキの切れない少年そのものでした。
ケーキを3等分4等分しろと言っても出来ないのです。シンプルながらも衝撃的な絵に、どんな内容なのか興味があり読むことにしました。この本では、所謂
非行少年や犯罪をした少年は実は認知障害や発達障害を抱えているのではないかという事、そしてそんな少年を更生させるにあたり
既存の杓子定規のような方法では真の原因は見つからないという事を言っておりました。少年達に反省を促しても、
言われていることが分からなければ反省することが出来ません。先程のケーキの話の通りで、3等分4等分しろと言ってもその意味が分からなければ出来るはずがないのです。そして、これは所謂聴く力だけではなく、見る力や話す力も備わっていないと達成出来ません。ある意味当たり前の事だからこそ
それが出来ないことに対する想像力が必要なのかも知れません。そして、このような障害を抱えつつも適切な治療を受けられなかった人は
そのまま年齢を重ね社会に放り出される事になります。仕事が上手くいかない、コミュニケーションが取れない、異性と交際が出来ない、これもまたもしかしたら障害が理由なのかも知れないのにですね。この本を通して、もっと
人に対して理解と想像力を広げたいと思いました。出来ない事が変なのではない、何か理由がありそこに気付く努力も必要なのだと思いました。
誰でも出来る事と出来ない事があると思います。そしてそれを個性として捉える事は間違いだとは思いません。ですけど、何が医学的理由があるのであれば是非直していきたいと思いました。
- 2019/10/05(土) 22:20:11|
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昨日今日と一泊二日で北の方に出張に行ってました。
10月になったので多少は涼しくなると思っていたのですが、
全然夏日でしたね。今日はこの日記を書いたらすぐ寝てしまう気がします。
今回は最近読んだ本を紹介します。これも確か
先月自分探しの旅に行った時に読んだ本だった気がします。
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上級国民/下級国民 - 橘玲
2019年8月に発売された新書です。
橘玲氏の本はこれまでも何冊か読ませて頂いておりますが、本当に
タイトルが上手だと思っております。何しろ、今ネット上で騒がれている
上級国民という言葉をダイレクトに使っているのですから、上級国民という言葉は
ネットスラングです。実際にそういった身分は存在しません。では何故この上級国民という言葉が流行ったのでしょうか。それを、氏は
モテるモテないという非常に分かりやすい構図を使用して説明してくれました。行ってしまえば、
上級国民はモテる人であり
下級国民はモテない人です。この本では、平成という時代で起きた事とそこから予測される令和という時代で起こる事を書き、その中で
モテるモテないに分類される人々を描いております。その後
人間という生物としての本能と現代社会での関わり方に発展し、最後に
リベラル化する社会の中でますます加速する上級国民と下級国民の差を描いております。様々なエビデンスを用いて明快に世の中の事実を解き明かす書き方はとても鮮やかであり、誰もが納得してしまいます。時に耳の痛い事も書かれているかもしれませんが、それが真実なのですから仕方がないですね。最後、この本では
知識社会は崩壊すると言っております。何故なら、テクノロジーが発達して人間の知識など必要なくなるからです。それは同時に、
知識によって差別化していた文化が消えてまた一つモテるモテないの差がなくなるという事です。白人主義、嫌韓、独身、非正規、ニート、そういったマジョリティの中に存在している上と下的な関係は、
テクノロジーの発達とリベラル化で少しずつ減っていくのかなと思いました。面白かったので是非皆さんも読んでみて下さい。
今この世の中には意識無意識に関わらず様々な差別があります。ですがそれらもまた、テクノロジーの発達とリベラル化でどんどん変わっていくのだと思います。上級国民がいつまで上級国民でいられるのか、在り方そのものも変わっていくのだと思いました。
- 2019/10/02(水) 21:33:53|
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